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スタッフ偏愛商品コラム vol.7

大地を守る会 スタッフ偏愛商品コラム

香ばしくてほんのり甘~い麦茶。
腰に手をあてて一気に飲みたい。

*****
今回の当番

お客さまサービス担当
迫田 明香(さこだ さやか)

50代の夫と千葉県在住。

最近の楽しみは
某動画配信サービスで
横溝正史作品を見ること。

マイベストは「八つ墓村」。

恐ろしい形相の
山崎努の記憶しかありませんでしたが、
今見ると夏の畑や田んぼが
とても美しく撮られていることに
気づきました。
*****

昔、私は麦茶って
何飲んでも同じじゃないの、って
思ってました。

川原製粉所の麦茶を飲むまでは。

今から25年くらい前、
入社して初めて飲んだそれは、
あまりに
それまでの麦茶と違っていたので、
一瞬麦茶とわかりませんでした。

甘くて、香ばしくて、
ほのかな苦みとうまみがあって。

もう、この麦茶以外一生飲めない。
そう思ってしまうほどでした。

そしてそれ以後25年。

夏が来るたび
川原製粉所の麦茶を飲み続けています。

たっぷり20包入り。
無漂白の紙パックを使ってます。

ところでみなさん、
麦茶ってどう作るかご存じですか?

私は大きなお釜みたいなものに入れて
ほうじ茶みたいな感じで
煎るんじゃないかと思ってました。

それが違うんです。

びっくりするような方法で作るんですよ。
ちょっとご紹介しましょう。

川原製粉所は、
東京都練馬区にあります。

まわりは住宅街で、
家々に囲まれた古い建物は
いかにもザ・町工場といった風情。

工場に近づくと
香ばしい麦の良い香りが漂ってきて、
あ、あそこだってわかります。

ここで
川原製粉所・三代目の川原渉さんと、
お父さんで先代の川原義明さんが、
「砂釜焙煎」という方法で
麦茶を作っています。

川原製粉所・三代目の川原渉さん(左)と
先代の川原義明さん(右)親子。

「砂釜焙煎」とは、
大きな直火釜の中に
熱した砂を入れて循環させ、
その中に大麦を通して、
熱された砂の遠赤外線効果で
麦の芯まで焙煎する方法。

石焼き芋と同じ原理ですね。

しかも、川原製粉所では、
いっぺんに煎るのではなく、
まずは1度浅く煎って取り出し、
そのあと再度釜に入れて
深入りにする二度煎りをしています。

こうすることで、
味に得も言われぬ深みがでるのだとか。

一般品は、熱風を当てて焙煎する
「熱風焙煎」がほとんど。

大量かつ均一に焙煎できるのですが、
どうしても香りが飛んでしまいます。

都内では川原製粉所含め
数か所にしかないという直火窯。
麦茶のほか、きな粉とか
節分の大豆なんかもこれで作っています。

そんな「砂釜焙煎」なんですが、
この方法、暑くて暑くて大変。

焙煎時間は2、3分と短時間なので、
ちょっと時間が狂うだけで
おいしさに響くため、
釜下の火を間近で
じーっと見続けて火加減を調節します。

川原さん親子は、
夏は顔が「日焼け」じゃなくて
「火焼け」されるんだそうです。

夏の暑いお昼に
暑いキッチンでそうめんをゆでると、
鍋の熱湯とコンロの熱気で
ものすごく暑いですよね?

あれの10倍くらい暑い状態を、
日がな一日続けていると思ってください。

もちろん工場に
クーラーなんかありません。

昭和な扇風機が
2台くらいぷい~んって回ってるだけ。

私が以前工場におじゃましたときは
暑さで10分でめまいがしてきました。

釜の火加減を調整する川原渉さん。
平気そうな顔をされてますが、
ものすごい熱風が吹き付けてます!

これだけこだわった製造法ですが、
もちろん原料の麦も吟味しています。

使っているのは、
大地を守る会の生産基準に適合した
国産の大麦。

国内の大麦の自給率は、
なんとわずか9%程度
(※食糧需給表 平成27年度概算)
ですし、さらに農薬不使用となると、
とても貴重。

そんな大麦を
惜しげもなく使っているのです。

「やっぱりね、家族みんなで
いっぱい飲むものでしょう。
そういうのは、いい麦で作った
おいしいのがいいよね」と川原義明さん。

本当にそうですよね。

煎りあがった麦の色合いがさまざまなのは、
煎り具合にわざと微妙な差をつけているから。
浅めの色の麦からは甘みが、
深めの色の麦からは香ばしいコクが出ます。

川原さんの麦茶を作っていると
キッチンがいい香りでいっぱいになり、
その時点でシヤワセな気持ちになります。

ごくごく飲むと
口の中が麦のあま味と香りでいっぱいに。

からだじゅうにきゅーっと染み渡ります。

川原さんありがとうー!!って
声に出して言いたくなるおいしさです。

私はたぶんあと30回くらいは
夏を迎えられると思うのですが、
今後毎夏、
川原さんの麦茶を飲むことに決めました。

皆さんも、東京の下町で
川原ファミリーが心を込めて作った麦茶、
ぜひ飲んでみてくださいね。

我が家の「川原製粉所の麦茶専用アルミ鍋」。
25年使い続けるうちに
取っ手が欠けてしまいましたが、
内側のちょうど1リットルのところに
あとが付いてるし
(さんざん作るうちに鍋の色が変色)、
すぐ沸くし、便利です。

おすすめの飲み方

・沸かす場合
鍋に麦茶1パックと
水1リットルを入れて火をつける。

沸いたらそのまま5分待って火を止める。

少し冷ましてから容器に移し替え、
冷蔵庫に入れる。

・水出し
水1リットルに麦茶1パックを入れ、
冷蔵庫で約3時間程おく。

・川原さんに聞いた裏技
耐熱ガラス容器に麦茶1パック入れ、
熱湯を500mlくらい注いで
5分くらい放置。

その後パックを取り出して
氷水を加えて1リットルにする。