細川モモのおうちごはんラボ

最終回『お酒をたくさん飲む人の食事』

細川モモ
予防医療コンサルタント社団法人Luvtelli 東京&NewYork代表理事/2011~2014 ミス・ユニバース・ジャパンビューティキャンプ講師/農林水産省「地域食文化活性マニュアル推進・検討会」委員/『タニタとつくる美人の習慣』(講談社)発売中
毎日のうれしい・おいしいを応援!食べることでもっと健康になりたい方必見! のお食事相談。今回は、成長期を迎える幼児の食事についてアドバイスしていきます。

酒量の見直しと、カルシウムの摂取がポイント!

■ 男性(50代後半)
■ 職業…会社員
■ 家族構成…妻と二人暮らし
■ 会員歴25年
【食事記録】
食事は3食、バランス良く食べているつもりですが、お酒が好きで、日本酒2合、ビール0.5合、焼酎2杯ほどを毎日飲んでいます。少し太り気味なので、やせる努力をしていますがなかなかやせません。食事の課題と、やせるための方法について教えてください。

Advice 1 : ロックおやじさんの食事バランス

■ ロックおやじさんの栄養グラフ

やせる努力をしているけれどやせないということで、確かにBMI(※)が26.8と“プチ肥満”です(筋肉量が多いと体重が重くなるため、一概にはいえません)。気になる食事内容を見てみると、脂肪や炭水化物の量は問題なく、お酒の量(糖質)とデトックス(排出)の栄養素の不足が目立ちます。デトックスの栄養素とは、食物繊維とカリウムです。カリウムは過剰な塩分を体外に排出し、塩分によるむくみを予防します。お風呂上がりは水分が抜けて体重が減るように、むくむと体重は重たくなります。むくみの原因となる塩分の摂取率ですが、ロックおやじさんはかなり高い状況です。全国長寿日本一になった長野県は、塩分の摂取量は高い方ですが、野菜と果物の摂取率が全国一になったことでカリウムと食物繊維の摂取率が高まり、がんや心疾患の死亡率が低いのです。つまり、減塩を意識するだけでなく、野菜や果物を積極的に食べてカリウムの摂取を増やすと、塩分の排出(むくみの解消)につながります。また、食物繊維はダイエタリーファイバーという名前の通り、コレステロールと糖質の吸収を抑制するため、ダイエットには一押しです。特にロックおやじさんは果物の摂取率が低いため、朝食に果物を追加することをおすすめします。

※BMI指数=体重(kg)÷【身長(m)× 身長(m)】
<18.5未満:痩せ 18.5以上25未満:標準 25以上:肥満>

Advice 2 : お酒の量を見直し、カルシウムを摂取しましょう!

野菜と果物の摂取量を増やすことに加え、ぜひ見直してほしいのはお酒の量です。ロックおやじさんの食生活はズバリ「青森県型」。青森県は飲酒量が全国1位で、塩分摂取量が全国2位、心臓病と脳卒中はトップ3に入っています。適度な飲酒は健康に良い影響も与えますが、厚生労働省では「適度な飲酒」を1日20g程度(純アルコール)としています。適量に関しては、下図を参考に、数値以内に収めることプラス、休肝日を週2日設けることが推奨されています。

  • ■ アルコールの適量

■ カルシウムを含む食材

お酒(糖質)の摂取量が多いと血液中の糖を体外に排出しようとして、糖と一緒にカルシウムが流れ出てしまうことがあります。ロックおやじさんの食生活はカルシウムが最も不足しているため、骨の健康が心配です。将来、骨折による寝たきりを避けるためにも、お酒の量を見直すことや糖質の少ないお酒(日本酒より焼酎の方が糖質は少ない)に変えることに加え、カルシウムを積極的に摂取することをおすすめします。

※栄養計算・執筆協力 ラブテリ管理栄養士 鶴田麻里子

ご愛読ありがとうございました!

「おうちごはんラボ」がいよいよ最終回となりました。毎日の食事を通して家族の健康増進をするこつ、お役に立ちましたでしょうか。私も連載中に家庭を持つ身となりましたが、離乳食からお世話になってきた大地宅配の食材で家族の健康を支えていきたいと思います。
今秋、連載でお伝えしてきた栄養の知識が反映されたレシピ本を出版することになりました! 冷え性や疲れなどの不定愁訴対策レシピと、忙しい毎日でも自炊を続けるための簡単で作り置きができるレシピが満載です。お手にとっていただければうれしく思います。

細川モモ

「細川モモのおうちごはんラボ」は今回で最終回となります。ありがとうございました!

※2015年08月31日掲載