契約農家と大地を守る会は創業以来、深い関係性を築いてきました。50年の間に、畑ではたくさんの変化や新しいつながりがいくつも生まれてきました。最初は安心安全な野菜をつくろうと一人で始めた取り組みが新規に農業を始めたいという若者を育てる団体になったり、親子孫三世代にわたるご縁がある家族経営の農家もいます。新しく農業を始めた人、子供が農業を継いでくれた親、親から農業を受け継ぐ子ども、様々な立場から声を聞きました。

50年の間に、孫の世代で大地を守る会に野菜を出荷していただく農家もあります。

先達の支えをうけて
新たに向かう農業の道

【Q】農業を新たに始めて、ご苦労されたことは?
【A】いろいろな野菜を作りたくて、どんどん種をまいたんですが、収穫が間に合わなくなってしまい……。せっかく育てた自分の野菜を食べるひまもなかったです。

【Q】「くらぶち草の会」を就農先に選んで、よかったことは?
【A】先輩の移住農家さんを見て、就農がうまくいくイメージが持てました。新人農家が生産に集中できるようにと、佐藤茂さんをはじめ先輩農家さんが出荷先の支援などをやってくださったので、ありがたかったです。

【Q】食べてくださる方に、メッセージをどうぞ!
【A】近年の天候不順により、これまで先輩たちが培ってきた経験や知恵に支えられた栽培が、通用しなくなってきました。自分たちでも新たな経験・知恵に磨きをかけて、おいしい野菜を目指していきたいと思います。

くらぶち草の会(群馬県高崎市) 利波 浩樹さん

次代につなぐ農業の可能性

【Q】息子さんが農業を継ぐと聞いたときのお気持ちは?
【A】率直に言わせてもらえれば「とてもうれしい」の一言になってしまいますが、同時に農業をがんばっていく覚悟と期待をもらった感じです。一生懸命に野菜と向き合いがんばっていたので、やりがいのある規模感や後ろ姿を見てくれていたと思います。

【Q】今後やりたいことや期待することは?
【A】いろいろな農業の可能性にチャレンジして、家族会議しながらベストな方法を目指して協力していきたいです。「この野菜と言えば、あっぱれ天恵・杉浦さん」と覚えてもらえるようになってほしいですね。

【Q】食べてくださる方に、メッセージをどうぞ!
【A】わが家は父の代から親子三世代で、大地を守る会と歩んできました。今年も魅力的な農作物がテーブルをにぎわすよう、猛暑にも負けずがんばりますので、応援よろしくお願いします。

あっぱれ天恵(愛知県田原市) 杉浦 生剛さんと息子・颯(はやて)さん(右)。

日本の農業課題を見据える3代目の挑戦

【Q】一度農業を離れ、その後再び農業に戻ったきっかけは?
【A】大学時代の1つ上の先輩が、日本の食料安全保障を確立するために就農され、有名な稲作農業法人となられました。社会問題に直接対峙し、問題解決を図る姿勢のかっこよさに憧れて、農業に再挑戦しました。

【Q】これから新たに挑戦したいことは?
【A】千葉県の中央に位置する八街市は畑作地帯として有名ですが、高齢化で年々耕作放棄地が生まれる状況です。そこで耕作が難しくなった畑を借りて、規模拡大型農業に挑戦しています。将来的には新しい農業モデルを構築できるまでに拡大したいです。

【Q】食べてくださる方に、メッセージをどうぞ!
【A】米騒動をはじめ、日本の農業の弱さが顕在化してくる時期にあると感じており、その課題解決に向けて努力していきたいと思います。安全でおいしい野菜作りに尽力しますので、よろしくお願いいたします。

千葉畑の会(千葉県八街市) 内田 健夫さん