放射能測定の経過と今後の測定方針に関して

2018年10月15日
オイシックス・ラ・大地株式会社
大地を守る会宅配事業本部長
橋本千珠子

大地を守る会の放射能対策について

2011年の東京電力福島第一原子力発電所の事故から7年が経ちました。大地を守る会では、「食の安全」を追及するのが生産者・流通者の使命と考え、同年5月には放射能測定結果を公開、お客さまからの震災復興基金へのご支援もあって、「NaI (Tl) ガンマ線スペクトロメータ」4台と「ゲルマニウム半導体検出器」1台を物流センターに設置。福島県の産地へ1台貸与するなど、速やかに高精度の測定器を導入し、自社の測定体制を確立しました。

その後、2012年2月には国の定めた基準よりも厳しい大地を守る会の「流通基準」を策定。2013年6月には、蓄積した12,484件の測定実績を基に「放射能測定基準」を策定いたしました。

7年間の取り組みを経て

2013年に「放射能測定基準」を策定した時点において、既に当社流通品目の99.35%が「放射能不検出」(当社規定の検出下限値未満)でしたが、慎重を期してそれから5年、国産の食品だけでなく、輸入オーガニックの食品についても平等に放射能測定をしながら、検出されやすい地域や品目の傾向を把握し、取り扱い品目の選定にも工夫を重ねてきました。こうした取り組みにより、昨年2017年には検出下限値以上での放射能が測定された品目は、年間取扱品目中で2商品のみとなりました(岩手県産「生しいたけ(現在は取り扱い無し)、松茸」で、測定値は国の流通基準値の1/5、当社流通基準の1/2以下の範囲内)。

今後の測定方針について

現在の「自主流通基準」と「放射能測定基準」を変えることはありません。一方で測定対象とする品目については、延べ29,431件に及ぶ測定結果をふまえた上で、「地域と品目」の2軸で測定方針を見直しました。地域については、2011年に測定を開始してから7年間、放射能が検出されていない北海道・西日本・九州といった地域で生産された商品を、原則測定の対象外とします(*1)。品目については、加工食品の「新商品」は漏れなく測定。ベビー用食品や飲料水などは、過去において不検出であっても、地域を限定せずに定期的に測定するなど、10月22日をもって以下の内容にて放射能測定体制を継続していくことといたします。

地域と品目による測定方法

<地域別>17都県は全産地全品目(※北海道を除く、静岡以東の本州産)
<品目別>定期的に測定する品目
・飲料水&茶、ベビー用食品、卵、牛乳、葉物・果菜物は定期的に測定
・加工食品の新商品は漏れなく測定

お買い物サイトご利用の皆さまへ

新しい測定方針のスタートと共に、「放射能不検出の食材カテゴリー」の運用は144号をもって終了させていただくことといたしました。また、今後の放射能測定結果についてはお客さまに分かりやすいよう、検出商品については商品名と生産者名を公開して参ります。詳しくは、お買い物サイト「放射能不検出の食材」カテゴリー終了に関して」をご覧ください。

大地を守る会の宅配でお届けする商品につきましては、引き続き細心の注意を払いながら測定を継続するとともに、生産地での取り組みをこれからも支援していく所存です。皆様のご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。

(*1)2014年11月に一度検出した鹿肉(北海道産)は、今後も測定致します。