大地を守る会では「国産」にもこだわっています。日本の農業を元気にしたいという思いから、野菜から加工食品の原料、肉や卵の飼料に至るまで、なるべく国産を優先しています。今、国産を選ぶことの意味を考えてみませんか。

理由1:自給率を高めて食料問題に備えたい

1960年ごろ、日本の食料自給率はカロリーベースで73%もありました。しかし、現在は37%と約半分に。自給力のある米に代わり、輸入飼料・原料に頼る肉や油の消費が増えたことが大きな要因といわれています。
現在世界人口は77億人、あと30年もすれば100億人に迫ります。肉や油を多く消費する食生活が増えれば、食料の需給がひっ迫することは容易に想像できます。

おなじみの食材の食料自給率はほんのわずかです
日本の現状は?

※出典:令和元年度食料需給表(概算)のカロリーベース食料自給率

理由2:国産を食べることで温暖化を防ぎたい

気候変動に関して今、私たちは分岐点にいます。それに大きな影響を与えるのは、二酸化炭素の排出量。
食料の多くを海外に依存しているわが国では、輸送の際に多くの二酸化炭素を排出しています。たとえば小麦。北アメリカ大陸の小麦を船便で運ぶよりも、たとえ排出量の多いトラックを使っても、北海道から運べば、二酸化炭素の排出量は4割以下に抑えることができると言われています。(※1)

※1 北アメリカ大陸からの距離19,000kmを船便(20g/トンkm)、北海道からの距離860kmをトラック(180g/トンkm)で輸送した場合

「国産」の尺度となる自給率は主に2つあります

※出典:『令和2年版 食料・農業・農村白書』

理由3:地方・農村を元気にしたい

農業は食糧生産だけではありません。たとえば、洪水を防いだり、地下水を豊かにしたり、気温の上昇を緩和し、生き物たちの豊かな生態系を形成するなど、私たちの暮らしを守る役割も担っています。
また、全国各地には農業由来の伝統行事が残り、里山や田畑は私たちの心を潤してくれます。日本各地の文化や美しい景観を守るためにも、国産を食べることは地方を応援することにつながるのです。

美しい棚田の風景



※本記事の数値は『令和2年版 食料・農業・農村白書(一般財団法人農林統計協会発行)』を参考にしています。